TOTAL STAGE PRODUCE

トータル ステージ プロデュース / TSP
演劇やミュージカル、コンサートの企画制作を行うカンパニー。

作品の企画、キャスティング、プロデューサーあるいは制作業務。大規模作品の予算管理、宣伝、講演会やイベント、タイアップなどのプロデュース協力も実施。特に宣伝においては、売るものの演目内容に応じて宣伝展開を考案する、専門作業を行っている。内容的に優れているが知名度が低い、などの作品の売り方には高い評価がある。

会社情報

株式会社 トータル ステージ プロデュース
〒163-1030 東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワーN30階
Phone: 03-5326-3378 Fax: 03-5326-3001

 

実績
「イノック・アーデン」

言葉と音楽のシリーズ

これまでにわたくしどもは「兵士の物語」(2001、2003)や、「キャンディード」(2001、2004)、「コントラバス」(2004)、「奇跡の人」(2006)、「チェロを弾く女」(2008)、「見知らぬ女の手紙」(2008)といった作品の制作や企画をとおして、今後さらにことばと音の関係について探求するための作品づくりに携わり続けたいと思いました。

そこで「言葉と音楽」のシリーズと銘打って企画することになりました。 シリーズ化第一弾としての作品が「イノック・アーデン」となるわけです。 プロジェクトの立ち上げから、企画に深く共鳴してくださったのが石丸幹二さんでした。 音楽への飽くなき探求心を持っていらっしゃるばかりでなく、これまで数々の舞台で演じてこられた演劇、ミュージカルの作品をとおし、日本のことばを表現されてきた石丸さん。そのことばに対する愛着やこだわりに計り知れぬものがあっても不思議ではありません。 ですから、これからの共同作業が楽しみでなりません。

新約聖書のヨハネ傳福音書の冒頭に、「はじめにことばあり、ことばは神とともにあり、ことばは神なりき。このことばははじめに神とともにあり、萬のものこれによりてなり、なりたるものに一つとしてこれによらでなりたるはなし」とあります。このメッセージはわたしたち人類にとって敬虔なる思いをよびさましてくれます。ことばを粗末に扱うことは神を粗末にするということ。神を粗末にする、ということは現在に置き換えると生きるということを粗末にすることにほかならないでしょう。ことばが至らないとなにかと人生が至らなくなりますし、ことばが適当だと、人生も適当になりがちだったりします。ですから、私たちのことばである日本語を深く理解し、大切に思い、豊かにすることで人生を豊かにしてゆきたいと考えます。

そして、ことばと音楽の関わりの原点を聖書に想定したとき、その姿が見えてくるのです。グレゴリオ聖歌のころから(むろん原始的な舞踏のリズム云々というものは別ですが)、音楽は聖書のことばと合体して発達してゆきました。樹に蔦がからむようにして。そして、バッハの時代以降、調性の発見を経て音楽とことばの関係が対等になり、リートやフーガ、ソナタといった形式が発生するようになって音楽は主導権を握るようにすらなったのです、ことばから独立して。ことばが現実という大地に縛られていながら、音楽は自由な翼を手にし、新しい芸術の世界を創作したのでした。モーツアルトの時代はことばをレチタティーヴォに押しつけ、ベートーヴェンはシラーのことばとともにあろうとしましたが、音楽の付随的役割になっているように思えてなりません。

シューベルト以降、ドイツのリートに於ける試みとワーグナーにおける楽劇の展開がことばと音楽を高い次元において共同的に作用するよう合体を手中におさめました。しかし、ことば(彼の場合、詩において)と音楽(音楽性)個々に課題を残すことになりました。結局二つは、異なった力でありながら独自の方法で同じことを発しようとし、同じ要素ながら決して溶解しえぬ同一質であることを知った私たちは、ことばと音楽が恋愛的な同棲生活を営む瞬間を見つけ、合体して一つの巨大な流れをなす作品を舞台にかけていかなくてはならない、そう決めたのでした。