イノック・アーデン
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- 「ここに人間がある。活きた人間がある。感覚のある情緒のある人間がある」
と夏目漱石が絶賛した長編詩『イノック・アーデン』。リヒャルト・シュトラウスの楽曲とともに、俳優とダンサーによって響き語り紡ぎ、感情の畝りを創り出す舞台を創作します。
イギリスの桂冠詩人(英国ロイヤルが与える最高の称号)として、ワーズワースやトライデンなどと並び称されるテニスンが1864年に書いた物語詩。電車の中のような人前では読めないような、涙溢れる哀しくロマンチックなストーリー詩劇です。そしてその年に生まれたドイツ人作曲家リヒャルト・シュトラウスは、この『イノック・アーデン』の詩に、音楽的韻律美を感じ取り、音楽を紡ぎました。
そして夏目漱石が「ここに人間がある。活きた人間がある。感覚のある情緒のある人間がある」と絶賛した不朽の名作です。
2009年、白井晃演出、石丸幹二による朗読とピアノの演奏という最もシンプルな形式で上演した本作品を、今回はあらたに演劇的な要素を加味し、作品を深め、大人のエンタテインメントとして創ってみようと思います。
今回のクリエーションは俳優とピアニスト、そして三人の登場人物であるイノック、フィリップ、アニーを三人のバレエダンサーが身体的に表現し、音楽詩をより深く創作します。そしてテニスンが紡いだイノックの人生を二人の俳優で語るというあらたな視点でアプローチしてみようと思います。また、アンダースコア(言葉の背景に流れる音楽)とバレエのために楽曲を追加し、あらたな舞台作品としてみなさまにお届けします。
- 「ここに人間がある。活きた人間がある。感覚のある情緒のある人間がある」
- OUTLINE作品概要
- 人の優しさとは何か、弱さとは何か、そしてよき選択とは・・・。
遥か海のむこうを見渡して、ひたすら愛する人を待ち続けた妻と、その期待に応えるべく努力を重ねた男。そして2人の幼なじみは友情と愛情の狭間で揺れ動き・・・。人を想い、行動すること。それは時代が変わったとしても変わることのない行動原理。しかし私達が生きていく過程で擦り減らし、いつのまにか見失ってしまう感覚や感情かもしれません。そんな心の声を感じてもらいたいと思います。
ウィル・タケットが俳優(言葉)とダンサー(身体)と創り出す世界
本作を演出振付するのは英国ロイヤルバレエ出身でオリヴィエ賞受賞のウィル・タケット。
日本国内での演出振付作品も多く、昨年4月末には新国立劇場の新作バレエ『マクベス』の振付、渡辺謙主演『ピサロ』や、昨年3月には寛一郎主演でペーター・ハントケの『カスパー』、そして昨秋の話題作となった天海祐希主演の新作『レイディマクベス』等のプレイ、そしてアンドレ・プレヴィンの『よい子はみんなご褒美がもらえる』、ストラヴィンスキー『兵士の物語』等をジャンルに固執せず「舞台作品」として創り上げられる稀有な演出家の一人です。
そして、作家原田宗典によって翻訳されたテキストを読み語るのは田代万里生と中嶋朋子。これまで一人語りでの上演されてきた作品を二人の俳優で語り演じることで、より演劇的なアプローチを試みます。そしてダンサーは東京バレエ団から選出した秋山瑛、生方隆之介、南江祐生の三人のダンサーが参加。言葉が旋律に、音と身体が言葉となり語る一つの世界を紡ぐ珠玉の舞台を創作します。これぞ舞台作品の醍醐味ともいえるでしょう。常にジャンルの垣根を縦横無尽に飛び越え、作品に新たな息吹を与える新たなクリエーションに挑戦します。
俳優とダンサーそしてピアニストが奏でる音色が織りなす物語。
自分は何を選ぶのか、それは誰のための選択なのか・・・。
「愛」という不変かつ普遍のテーマを純粋に観客一人一人に感じとってもらえたらと。
- COMMENTコメント
- ウィル・タケット コメント
この作品はシュトラウスの音楽とテニスンの詩を合わせた作品です。
今回の上演に際しては別のシュトラウスの楽曲をいくつかアンダースコアとして追加しています。
このようなスタイルの作品をつくることはもともと好きですし、「物語」を語る方法としてとても好きです。なぜなら、それはダンスが好きなバレエファンだけの為でも、演劇好きな人たちだけの為でも、音楽好きな人たちだけの為でもないからです。そのような人たちすべてにとっての何かがあり、さまざまな力が合わさって、とても興味深い異なったハイブリッドな作品になっていると思います。 この作品のテーマが何であるか、一言で説明することはできないと思いますが、この作品には3人の主人公がいて、このトライアングルには3つのテーマがあると思います。それは愛についてであり、また忠誠心についてであり、さらにそこには互いに対する責任(義務)、誰かの子供に対する責任、神に対する責任......、それらすべてに対する責任(義務)もあると思います。
そのトライアングルは、時には愛が損なわれると義務や忠誠心が引きずられ、また愛が戻ってくると、義務は存在しなくなり、しかし忠誠心に引きずられたり・・・。この絶え間ない緊張と三角関係(愛、忠誠心、義務)が密接に関わり、繋がっています。しかし、実はそれぞれが非常に異なってもいます。このテーマは時代を越え、私たちの人生で常に与えられているタイムレスなテーマであると思っています。
田代万里生 コメント
『これは、イノック・アーデンという男の『愛の物語』です。今回の翻訳・原田宗典さんによる一般発売中の書籍『イノック・アーデン』を手に取ってみたところ、あまりに共感する物語と登場人物たち。そして美しい日本語による詩的な世界観に、すぐに夢中になって最後まで一気に読んでしまいました。尊敬する中嶋朋子さんとの再共演、そして個人的には初めて本格的に向き合う、東京バレエ団とのコラボレーションや、櫻澤弘⼦さんのピアノの調べによるリヒャルト・シュトラウスの音楽。そして、ウィル・タケットさんの演出、アンディ、マッセイさんの音楽監修・編曲・追加曲作曲、ニナ・ダンさんの美術・映像など、グローバルなクリエイター陣との出会いも楽しみにしております。さらに、新国⽴劇場 ⼩劇場ThePit のステージに立つのも初めて。様々な化学反応で一体どんな作品に仕上がるのか、どんな自分と出会えるのか、とても楽しみにしております。劇場でお待ちしております。』
中嶋朋子 コメント
「言葉」が言葉を超え、
情感が言葉と成り得るかーー。
朗読というコンテンツには、魔物がいます。
立ち向かうべき大きな二つの魔物は、物語を「すべて語り尽くしたい」という演者の欲求と、物語は「すでに書き留められている」という観る側の受動性に潜んでいます。
「言葉」を介して物語を享受するーーというクリエイションは、無尽蔵に存在する、私たちの「想像力」その源に、作り手、観客の双方が、自在に身を解き放つ必要があるからです。
語られるべき、受けとめられるべき「言葉」が、想像という大いなる海を内包し、劇場という空間に満ちた時、「物語」は、物語られるものから、私たち自身の命を紡ぐものへと姿をかえるのです。
本公演は、作り手、観客双方にとって、そんな、大いなる想像の海に漕ぎだす、またとない機会であるに違いないのです。
秋山瑛 コメント
バレエはふだん言葉を使わない舞台芸術なのですが、
『言葉が旋律に、音と身体が言葉となり語る一つの世界を紡ぐ舞台』
という新たなクリエーションに挑戦できることがたのしみです。
ウィル・タケットさんの演出によって創り出されるイノック・アーデンの物語の中で生きられることを今から心待ちにしています。
生方隆之介 コメント
学生の頃からお名前を知っている、ウィル・タケットさんの演出・振付を受けられることに、とても驚きを感じています。
またこのような機会を頂いてとても感謝しています。
物語の内容を読んで、フィリップという役が自分の感情や性格に似ているような気がしました。また作品の内容も家庭や友情、愛や孤独についてとても考えされられました。
作品を踊っていく中で物語に寄り添い、そういった感情を大事にしていきたいと思っています。そして、ウィルさんの期待に応えられるように頑張りたいです。
朗読劇という形も初めての体験なのでどのようなものになるのか楽しみです。
南江祐生 コメント
原作を読み終えて、イノックの絶望とも言える状況の中でも、物事を受容していく大きな愛に、寂しくも深く温かな気持ちを感じました。そんな彼の人生の歩みを体現できることを、楽しみにしています。
- SYNOPSISあらすじ
- ここはイギリスの海辺のある村。船乗りの父親を亡くした孤児のイノック・アーデン、粉屋の息子のフィリップ・レイ、美しい少女のアニー・リーはどんな時も一緒だった。いつの頃から、イノックとフィリップはアニーに恋心を抱くようになっていた。思いをはっきり伝えるイノックと引っ込み思案のフィリップ、二人の恋の勝負はイノックが勝り、アニーと結婚。フィリップは計り知れない失恋の苦しみを胸に秘めるのであった。
イノックとアニーは子供にも恵まれ、慎ましやかな平和な家庭を築いていた。ところが、ある日運悪くイノックは大怪我を負ってしまう。長い療養を経て復帰したものの、なかなか仕事を得ることができず、家計も苦しくなる一方。そこへ東方へ向かう商船の仕事が舞い込んだ。男としてひとはたあげたい、妻と子供に裕福な生活を与えたいと船に乗り、海にでるのであった。
アニーはイノックの帰りを心待ちにしていたが、なかなかイノックは帰ってこなかった。彼女を心配する幼馴染みのフィリップは彼女を慰め続けた。次第に子供たちもフィリップになつき、フィリップもアニーへの想いが再燃する。
そしてイノックが海に出てから十年が過ぎた頃、二人は結婚する。フィリップとアニーの間にも新たな生命を授かり、幼かったイノックとの子供ももはやイノックを父として、記憶すらしていなかった。
イノックの乗船した船は、難破してしまった。無人島に流れ着いた彼は一人で生きていた。ひたすらアニーを思い続け、その想いを糧に何年も孤独の生活を送っていた。そうして、ようやく通りかかった船に助けられ、十数年ぶりに、生まれ故郷に帰って来たのである。幾重の苦難を乗り越えて、ただただ家族を想う気持ちに支えられ・・。しかし故郷に戻ったイノックだったが、すでにアニーと子供たちはフィリップとともに新しい、そして幸せな家庭を築いている現実に直面するのであった。そしてイノックは・・・。
- MOVIE / PHOTOムービー/フォト
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COMING SOON
- CAST & CREATIVEキャスト&クリエイティブ
- 原作_アルフレッド・テニスン
作曲_リヒャルト・シュトラウス
翻訳_原田宗典
演出・振付_ウィル・タケット
音楽監修_アンディ・マッセイ
美術・映像_ニナ・ダン
照明_佐藤啓
音響_佐藤日出夫
衣装_柿野彩
映像_栗山聡之
ヘアメイク_山本絵里子
美術助手/舞台監督_深瀬元喜
協力_公益財団法人日本舞台芸術振興会
企画製作:tsp Inc.
出演_
田代万里生 中嶋朋子
秋山瑛 生方隆之介 南江祐生(東京バレエ団)
演奏_櫻澤弘子
- SCHEDULE & TICKETスケジュール&チケット
- ◾️公演日程_2025年3月7日(金)〜16日(日)
◾️会場_新国立劇場小劇場
※京王新線「初台駅」中央口直結(都営新宿線乗入れ。京王線は止まりません)
◾️チケット一般発売_2025年1月18日(土)
◾️入場料金_S席 11,500円 A席 9,500円(全席指定税込) U25チケット 6,600円
※U25チケットは観劇時25歳以下対象要身分証/ローソンチケットのみでのお取扱いとなります
◾️開演時間_
*開場は開演の30分前となります3/7(金) 3/8(土) 3/9(日) 3/10(月) 3/11(火) 3/12(水) 3/13(木) 3/14(金) 3/15(土) 3/16(日) 昼 14:00 13:00 休演 14:00 14:00 14:00 13:00 13:00 夜 19:00 19:00 19:00 休演 19:00 18:00
【公式HP抽選先行発売】11月30日(土)10時から12月10日 (火)23:59まで
◾️チケット取扱い_
ローソンチケット https://l-tike.com/enoch/ Lコード:33502
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/enoch/ Pコード:530987
イープラス https://eplus.jp/enoch/
NBSチケットセンター 03-3791-8888(平日10:00~16:00、土日祝休み)
NBS WEBチケット https://www.nbs.or.jp/ (要会員登録・無料)
◾️チケットに関するお問合せ_ローソンチケット 0570-084-617(11:00~16:30)
◾️公演に関するお問い合わせ_ tsp Inc. contact@tspnet.co.jp
※上記お問合せの際、メールの件名に必ず「イノックアーデン」とご記入下さい。
【注意事項】※未就学児入場不可。※チケットはお一人様一枚必要です。※本公演のチケットは主催者の同意のない有償譲渡が禁止されています。※やむを得ない事情により出演者等が変更になる場合がございます。※車椅子でご来場のお客様はあらかじめチケットをご購入の上、公演日の3営業日前までに「チケットに関するお問い合わせ」窓口までご連絡ください。車椅子スペースには限りがございますので、ご購入済みのお座席でご観劇いただく場合もございます。お連れ様がご観劇される場合もチケットが必要となります。あらかじめご了承ください。※開場/開演時間は変更になる可能性がございます。※公演中止の場合を除き、お客様の体調不良および新型コロナウイルス感染によるチケットの払い戻しは致しません。チケットご購入の際には、ご自身の体調や環境をふまえご判断くださいますようお願いいたします。
- WHO's WHOプロフィール
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アルフレッド・テニスン(1809~1892)
ヴィクトリア朝を代表する詩人。牧師の子として生まれ、ケンブリッジに学ぶ。在学中から詩作を志す。1850年にはワーズワースの後を継いで桂冠詩人となった。その後も数多くの詩作品を発表し、国民詩人としての地位を確立、1884年には男爵位を授けられた。
原田宗典
1959年,東京都新宿区生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科を卒業。1984年「おまえと暮らせない」ですばる文学賞に入選。以来、小説・エッセイを発表する一方、劇団東京壱組の座付き作家もつとめ、コピー・戯曲など多方面で文筆活動をしている。主な著書は『優しくって少しばか』『十七歳だった!』(以上,集英社文庫)、『東京トホホ本舗』(新潮文庫)、『百人の王様 わがまま王』(岩波書店)など多数。6年ぶりの新作『おきざりにした悲しみは』(岩波書店)が11月8日に発売された。
ウィル・タケット/演出 Will Tuckett/Director
25年以上に渡り、ロイヤルバレエのメンバーとして出演、振付師としても活躍。受賞歴多数、著名な国際的振付家および演出家として、ヨーロッパ、アメリカ合衆国、カナダ、日本、中国等で公演を行う。演劇、オペラ、ミュージカル、映画を手がけ、ロイヤルバレエ、イングリッシュ・ナショナル・バレエ、ザ・ナショナル・バレエ・オブ・カナダ、中国国立バレエ団、ロイヤルオペラ、オペラ・ノース、ウェールズ・ナショナル・オペラ、ガーシントン・オペラ、サドラーズ・ウェルズ、バービカン、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー、シェイクスピア・グローブ座、アルメイダ劇場、セージ・ゲーツヘッド、ホワイトチャペル・ギャラリー、テイト・モダン、ナショナル・ギャラリー、BBC、チャンネル4およびスカイ・アーツでも作品を発表。ロイヤル・オペラ・ハウスの初代ROH2クリエイティブ・アソシエイトに就任(2006)、ファミリー層からカッティングエッジな観客を含めた新たな観客層のために斬新な作品を企画し、上演する責任を負う。こうした作品は、ロイヤル・オペラ・ハウスのみならず、イギリスおよび海外のツアーでも上演されてきた。ファミリー層向けに創作した『The Wind in the Willows』はロイヤル・オペラ・ハウスでの初演後ウェストエンドに移り、2014年オリヴィエ賞ベスト・エンターテインメント賞に輝いた。ロイヤル・オペラ・ハウスの教育部門とも広範囲に渡って連携し、特にティーンエイジャー向けに依頼され、演劇、オペラ、ダンスを統合した『Pleasure’s Progress』はその最初の作品である。同作品はその後、ラティテゥード・フェスティバルでのロイヤルオペラハウス自体の野外ステージや、コヴェント・ガーデン広場、イギリス各地の従来の劇場スペースを含め、ロイヤル・オペラ・ハウスがそれまで公演を行ったことのなかった多くの場所でツアーを行う。日本における近年の演出および振付作品は『良い子はみんなご褒美がもらえる』(作:トム・ストッパード、出演:堤真一、橋本良亮)、『ピサロ』(作:ピーター・シェーファー、主演:渡辺謙)、『カスパー』(作:ペーター・ハントケ、主演:寛一郎)、新作バレエ『マクベス』(新国立劇場)、『レイディマクベス』(出演:天海祐希、アダム・クーパー他世界初演)など。
田代万里生 Mario Tashiro
東京藝術大学音楽学部声楽科テノール専攻卒業。3歳からピアノを学び、7歳でヴァイオリン、13歳でトランペットを始め、15歳からテノール歌手の父より本格的に声楽を学ぶ。2003年『欲望という名の電車』でオペラデビュー。09年『マルグリット』でミュージカルデビューを果たす。近年の主な出演作に、『モダンミリー』『カム フロム アウェイ』『ジョン&ジェン』『アナスタシア』『マチルダ』『エリザベート』『ガイズ&ドールズ』『ラビット・ホール』『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』『ジャック・ザ・リッパー』『マタ・ハリ』等。第39回菊田一夫演劇賞受賞。25年1月より『ラブ・ネバー・ダイ』出演予定
中嶋朋子 Tomoko Nakajima
東京都出身。女優。唯一無二の存在感で、国内外の演出家からの熱い信頼を得る。俳優業の他にもナレーションや朗読、執筆活動においても、そのみずみずしい感性で根強いファンを持つ。主な出演作品として、ドラマ「北の国から」(CX)、「滅相も無い」(MBS)、映画「家族はつらいよ」シリーズ(山田洋次 監督)、映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(成田洋一監督)、舞台「ヘンリー六世・三部作」(第17回読売演劇大賞優秀女優賞、第44回紀伊國屋演劇大賞個人賞)シェイクスピア、ダークコメディ交互上演「尺には尺を」/「終わりよければすべてよし」など。近年は、新しい形の朗読劇を模索し、自ら「カミサマノ本棚」のプロデュースをするなど新たな活動も行っている。TBS日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」が現在放送中。
秋山瑛 Akira AKIYAMA
東京バレエ団プリンシパル
埼玉県出身。7歳よりバレエを始める。東京バレエ学校、リスボン国立コンセルヴァトワールで学んだ後、イタリアのラ・カンパーニャ・バレット・クラシコで活躍。2013年、タンツオリンプで銅賞を受賞。16年、東京バレエ団に入団、22年にプリンシパルに昇進した。
おもなレパートリーに『ドン・キホーテ』のキトリ、『海賊』のメドーラ、『ジゼル』のジゼル、『ラ・バヤデール』のニキヤ、ベジャール版『ロミオとジュリエット』のパ・ド・ドゥなどがある。バレエ団初演作品に、バランシン『セレナーデ』(18年)、『くるみ割り人形』のマーシャ(19年)、クランコ版『ロミオとジュリエット』のジュリエット(22年)、金森穣『かぐや姫』のかぐや姫(23年、世界初演)、『眠れる森の美女』のオーロラ姫(23年)などがある。24年、芸術選奨文部科学大臣賞新人賞を受賞。
生方隆之介 Ryunosuke UBUKATA
東京バレエ団ファーストソリスト
群馬県生まれ。4歳よりバレエを始める。東京バレエ学校で学び、同校Sクラスの海外研修制度で2015年にワガノワ・バレエ・アカデミーに留学。17年9月よりハンガリアン・ダンス・アカデミーで2年間学ぶ。19年に東京バレエ団に入団。24年にファーストソリストへ昇進した。
おもなレパートリーに、ブルメイステル版『白鳥の湖』のジークフリート王子、『くるみ割り人形』のくるみ割り王子、『ドン・キホーテ』の闘牛士、ジプシー、『ラ・バヤデール』のブロンズ像、『海賊』のアリ、『パキータ』のプリンシパル、ベジャール『火の鳥』のパルチザン、子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』のバジルなどがある。バレエ団初演作品に、『くるみ割り人形』のアラビア、スペイン(19年)、クランコ版『ロミオとジュリエット』のマキューシオ(22 年)、『眠れる森の美女』の4人の王子、青い鳥(23年)がある。
南江祐生 Yuki NANYE
東京バレエ団セカンドソリスト
京都府亀岡市出身。5歳よりバレエを始める。2012年より東京バレエ学校で学び、同校Sクラスの海外研修制度で2015年にワガノワ・バレエ・アカデミーに留学。18年に東京バレエ団へ入団した。22年に退団後アスタナ・バレエ団を経て、24年より東京バレエ団へ再入団した。
主なレパートリーに、子どものための『ねむれる森の美女』デジレ王子、『ジゼル』のウィルフリード、ブルメイステル版『白鳥の湖』のスペイン、ベジャール『春の祭典』生贄、『M』の射手などがある。
バレエ団初演作品に、『くるみ割り人形』のフランス(19年)、クランコ版『ロミオとジュリエット』のパリス伯爵(22年)がある。
櫻澤弘子 Hiroko Sakurazawa
米サンフランシスコ・クロニクル紙で「傑出したピアニスト」と称賛 されたピアニスト。
国立音楽大学で山本万里子、アンリエット・ピュイグ=ロジェ(パリ 国立高等音楽院)に師事。その後、日本を代表するピアニストの一人 である高橋アキ氏に師事。1996年に東京でデビューし、武満徹をはじ めとする日本の現代作曲家の作品やクラシックのレパートリーを演奏。 以来、ソリストとして、また様々な音楽家とのコラボレーションによ り日本国内で演奏活動を行う。2000年、ウッドストック室内管弦楽団 とリチャード・タイテルバウム作曲「ピアノと室内オーケストラのた めのコンチェルティーノ」を世界初演。また、マース・カニングハ ム・ダンス・カンパニーのニューミュージック・シリーズやサンフラ ンシスコ電子音楽フェスティバルで、ピアノとコンピュータのための 「ピアノ・ツリー」を初演した。
2005年にはバード音楽祭でヘンリー・カウエルの未発表ピアノ作品2 曲を世界初演。また、ヘルシンキのシベリウス・アカデミー、仙台ク ラシック音楽祭、サンフランシスコのアザー・マインズ・フェスティ バルなどで、オンド・マルトノの名手であり作曲家でもある原田節と 幅広いコラボレーションを行っている。
2003年からはニューヨーク州ウッドストック近郊に住み、美しい自然 に囲まれながら、著名な室内アンサンブルとの共演や伴奏を精力的に 行っている。主な出演に、ニューヨーク州ハドソンのハドソン・オペ ラ・ハウスでのチェリスト、ガーフィールド・ムーアとのジェミニ・ コンサート・シリーズ、トレイル・ミックス・フェスティバルでのハ イポイント・アンサンブルのメンバーとして出演、ニューヨーク州オ リーブでの作曲家ジョージ・ツォンタキス主宰のピアノ・プラス!シ リーズでのソロリサイクル、またペリア弦楽四重奏団との共演、バー ド大学音楽院での滑川真希とのピアノ・デュオ・コンサートなどがあ る。
2016年にはウッドストック室内管弦楽団とモーツァルトのピアノ協奏 曲第24番を共演。彼女の演奏はウッドストック・タイムス紙のレス リー・ガーバーによって「実に理想的なモーツァルト演奏」と評され る。