30年ほど前に初めてシューベルトの『冬の旅』に日本語の詞をつけたとき、目指したのは翻訳や対訳ではなく、日本語としてすっと頭に入り、心ですぐに反応できる歌にすることでした。
『冬の旅』は、絶望の物語です。けれど、絶望というのは決して醜いものではなく、意外といいものであり、深く、美しいもの。今の日本の『冬』のような時代を生き抜くためにこそ、そういう徹底した美意識が必要なんじゃないかと思っています。
まつもと・たかし/訳詞
1949年、東京都生まれ。日本を代表する作詞家。 1960年代後半、細野晴臣、大瀧詠一、鈴木茂と「はっぴいえんど」を結成し、ドラマー、作詞家として活動。その後、作詞家として独立し、太田裕美、松田聖子、近藤真彦、薬師丸ひろ子、KinKi Kidsなど、数多くのアーティストに詞を提供。日本のポップス史に残る数々のヒット曲を生み出し、2017年には紫綬褒章を受章する。その活動はポップスの作詞にとどまらない。1992年にはシューベルトの歌曲集「冬の旅」を現代語訳。その後、「美しき水車小屋の娘」「白鳥の歌」も手掛け、シューベルトの主要歌曲を現代の日本語へと移し替えてきた。詩人として培った言葉への感性を生かし、19世紀ドイツの歌曲を、現代の日本語の響きと感覚によって新たに立ち上げている。
ハムレット、冬の旅 - HAMLET'S WINTER
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- シェイクスピア × シューベルト
交わるはずのなかった二つの魂が、ひとつの舞台で出会う。
「生きるべきか、死ぬべきか。」
父を失い、母を失い、愛する人を失い、世界そのものへの信頼を失ったハムレット。
亡き父の亡霊から復讐を託された王子は、問い続ける。 生きるとは何か。死ぬとは何か。 自分は何を信じ、何のために生きるのか。
そのハムレットの物語に、自らの人生を重ねるもう一人の男がいる。
恋人を失い、深い喪失の中にいる作曲家。 ハムレットという男に自らの孤独を重ね、彼の言葉の奥にあるものを見つめながら、やがてそれを音楽へと変えていく。
東出昌大 × 栗原英雄
本作では、ハムレットと『冬の旅』の作曲家という二人の男を、東出昌大と栗原英雄が演じます。東出昌大が演じるハムレットは、言葉によって世界と対峙する。シェイクスピアの言葉を発し、問い、思考し、世界に抗いながら、自らの精神の内側へと閉じていく。一方、栗原英雄が演じる作曲家は、言葉だけでは捉えきれない感情を、旋律へと変えていく。二人の男は、異なる時代に生き、異なる方法で絶望と向き合う。そして、ハムレットの言葉が作曲家の内面を揺さぶり、作曲家の歌がハムレットの内側にあるものを呼び起こしていく。やがて二人は、互いの中に自分自身を見るようになる。ハムレットの「外面」と、作曲家の「内面」。言葉と旋律。理性と情動。その境界が、少しずつ崩れていく。そして、この二人の「心の旅」を舞台上に立ち上げるのが、世界的な舞踊家として身体表現を追求してきた首藤康之です。首藤は、俳優の演技にダンスを添えるのではなく、言葉と音楽と身体を、それぞれが互いを刺激するひとつの舞台言語として構築していきます。ダンサーたちは、人物の記憶となり、幻影となり、ときには二人の男の内面そのものとなる。現実に存在する身体と、心の中にしか存在しないもの。その両方が同じ舞台上に現れることで、観客は次第に、何が現実で、何が幻なのか、その境界を失っていく。シェイクスピアの『ハムレット』とシューベルトの『冬の旅』。一方は「言葉」、一方は「音楽」。本来交わるはずのなかった二つの作品が、二人の男の喪失と孤独を通して出会い、さらに俳優とダンサーの身体によって、ひとつの劇空間へと変貌していきます。失ったものを抱えた人間は、それでもどこへ向かうのか。「絶望」とともに、人はどこへ向かうのか。
これは、二つの名作を組み合わせた作品ではありません。
二人の男が、それぞれの孤独の果てに、もう一人の自分と出会う物語です。
2026年。 『ハムレット』と『冬の旅』が、ひとつの舞台で交差します。
◾️公演日程◾️
2026年
▶︎東京公演 11月20日(金)〜11月30日(月) 新国立劇場小劇場
▶︎大阪公演 12月12日(土)〜12月13日(日) サンケイホールブリーゼ
9月5日(土)正午から 先着先行開始!(東京公演は座席選択可)
チケットお求めはコチラまで
https://w.pia.jp/p/fuyunotabi26tspm/
- CREATIVE & CASTクリエイティブ & キャスト
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ウィリアム・シェイクスピア「ハムレット」(河合祥一郎訳 増補改訂版 新訳「ハムレット」 角川文庫)より
作曲_フランツ・シューベルト 作詞_ヴィルヘルム・ミュラー 訳詞_松本隆
台本監修_河合祥一郎 演出・振付_首藤康之 音楽監督・演奏_斎藤龍
美術_久保田悠人 照明_渡邊雄太 音響_佐藤日出夫 衣裳_柿野彩
ヘアメイク_山本絵里子 舞台監督_藤本典江
出演_東出昌大 栗原英雄 渡辺理恵 高橋慈生 松野乃知
- COMMENT & PROFILEコメント&プロフィール
- 松本隆 コメント

河合祥一郎 コメント
シューベルトの『冬の旅』が、こんなにも『ハムレット』とぴたりと重なるなんて、驚きです! シューベルトを通して見ると、ハムレットはどんな新たな顔を見せてくれるのでしょうか?
東出昌大さんのハムレットに大きな期待が高まります。首藤康之さんの演出・振付で、栗原英雄さんの歌唱と重なりあい、新たな化学反応を経たハムレットの誕生に立ち会えるとは!
今からとてもワクワクしています!!
かわい・しょういちろう/台本監修
1960年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学、ケンブリッジ大学より博士号を取得。東京大学名誉教授。専門は16、17世紀イギリス演劇で、特にシェイクスピア研究において第一線で活動する。2001年、『ハムレットは太っていた!』でサントリー学芸賞を受賞。
研究者としてだけでなく、翻訳家、劇作家としても幅広く活動。シェイクスピア作品では『新訳 ハムレット』『新訳 ロミオとジュリエット』をはじめ数多くの戯曲を翻訳し、原文の意味だけでなく、韻やリズム、台詞が声として発せられることを意識した日本語訳を手掛けている。その翻訳活動はシェイクスピアにとどまらず、『不思議の国のアリス』『ピーター・パン』『赤毛のアン』『ナルニア国物語』『ドリトル先生』シリーズなど、古典文学から児童文学まで多岐にわたる。作品ごとに原文の魅力を日本語のリズムへと移し替える翻訳者として、多彩なジャンルで新訳を発表している。また、自ら劇作にも取り組み、『国盗人』『家康と按針』『ウィルを待ちながら』などを発表。研究、翻訳、創作、そして舞台上演という複数の視点から演劇に向き合ってきた。本人も、研究や翻訳は「芝居の上演」という目的と結びついていると語っており、文学としての戯曲を、実際に俳優の声と身体によって立ち上げることを一貫して追求している。
首藤康之 コメント
もともとシューベルトの『冬の旅』は多くの振付家が舞踊作品として発表しており、楽曲自体はよく存じ上げていました。ただ松本隆さんの訳詞があることは全く知らなくて。それを読んだ時、また別の感動が湧き出てくるような感覚がありました。やはり言葉というのはとても雄弁ですし、この詞の中に松本さんの人生観すら感じる。今回はとにかくこの言葉を大切に。ただ言葉を直接舞踊にするというのは、すごくナンセンスなことだと思うので、東出昌大さんと栗原英雄さんが演じるふたりの“心の旅”と言いますか。その内面を、ダンサーたちの身体で表せたらいいなと思っています。僕がこの作品で一番伝えたいと思っているのは、“生と死”というのは絶対にひとりのものではない、ということです。もちろん人というのはひとりで生まれ、ひとりで死んでいくものですが、生きる人がいるから死ぬ人がいて、その逆も然り。それをハムレットと作曲家のふたりは、劇中で共感していくのではないかなと。その上でどんなことがあっても前に進んでいくことが本当の強さであり、美しさである。そういったものが作品を通して見えてくればいいなと。ぜひお客様には自分自身の内面の旅をする友達を、この作品から見つけていただけたら嬉しいです。
しゅとう・やすゆき/演出振付
1971年11月11日生まれ、大分県出身。
15歳で東京バレエ団に入団、19歳で主役デビュー後、多くの古典作品や現代振付家の作品に出演。
2004年に同団を退団しフリーランスとなり、国内外で活動を続ける。俳優としても多数の舞台に出演、演出も手がけている。最近では映像分野にも進出し、その活動の場を広げている。
第62回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。
東出昌大 コメント
シューベルトの『冬の旅』と、松本隆さんの訳詞、そして首藤康之さんの演出。それを聞いた時、私自身全く観たことがない、やったことがない舞台が現出されるんだろうなと思いました。そんなプロジェクトに携われるなら、ぜひやりたいなと。なによりプロデューサーのおふたりが、この世界の先輩として心から尊敬する、常に本物を追い求めている方々なんですね。であるならば、自分がハムレットになる、ということにも本物を求められている。この作品の軸になるようなパフォーマンスをしなければ、と思いを新たにしています。ただやること自体は難しいですが、僕の中では単純明快。とにかくいいものを作るんだという気持ちですし、このおふたりに声をかけてもらった以上はただやるだけ。「To be, or not to be」ではなく、「To be, or to be」ですね(笑)。そして本物という点では、共演の栗原英雄さんはもう圧倒的な本物。その圧倒的なパフォーマンスの風圧によろめいているようでは全く意味がないので、僕は僕で青二才なりの本物を求めつつ、共に上がっていけたらいいなという気持ちです。非常に魅力あふれる、今までに観たことがない舞台表現になると思います。ぜひ劇場に足をお運びください。
ひがしで・まさひろ
1988年、埼玉県生まれ。2006年よりモデルとして活動し、2012年、映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビュー。同作で日本アカデミー賞新人俳優賞、毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞を受賞。その後、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』『ごちそうさん』などに出演し、映画・ドラマを中心に幅広く活躍する。映画では『寄生獣』『GONIN サーガ』『クリーピー 偽りの隣人』『関ヶ原』『散歩する侵略者』『菊とギロチン』『寝ても覚めても』『スパイの妻』『BLUE/ブルー』『Winny』『福田村事件』などに出演。近年はNetflixシリーズ『イクサガミ』への出演に加え、舞台では『サド侯爵夫人』『豊饒の海』など、文学性の高い作品にも挑んでいる。
栗原英雄 コメント
非常にチャレンジングな企画だと思いましたが、最初は頭の中が「?」でいっぱいでした。シューベルトの『冬の旅』に、松本隆さんの訳詞が加わり、さらにシェイクスピアの『ハムレット』も絡んでくる。僕が歌う曲数もかなり多かったので、「これは無理ではないか……」というのが正直なところでした。でも実際にやれたら絶対に面白くなると思いましたし、僕にとっても非常に大きなチャレンジ。チャレンジというのは大概苦しいものですが、楽にやれるものなんてつまらないですから。どうすればこの作曲家の生の声として、彼が抱えている苦悩や悲しみを、音楽に乗せて表現することができるのか。非常に難しい課題だとはいますが、これからの稽古で掴んでいけたらと思っています。東出昌大さんとは初めてご一緒しますが、彼がハムレットをやると聞いてすごくしっくりきました。近年では珍しい、二枚目ではなく“一枚目”の俳優さん。その場にスッと立っているだけで、その人物になれるというか。小賢しいことをせずとも。逆に僕は、そちらをやらなくてはいけないのかもしれませんが……(笑)。観客の皆さんを不思議な世界へとお連れしたいと思います。ぜひ僕たちと一緒に楽しみましょう。
くりはら・ひでお
1965年、栃木県生まれ。1984年劇団四季に入団し、2009年の退団まで数多くの作品に出演。退団後もトム・サザーランド演出『タイタニック』、三谷幸喜作・演出『不信~彼女が嘘をつく理由~』『大地』、『ピサロ』『ジキル&ハイド』『レイディマクベス』『エウリディケ』『イリュージョニスト』 大河ドラマ『真田丸』『鎌倉殿の13人』月9『ONEDAY』など話題作に出演。確かな演技力と存在感で、主要キャストとして舞台・映像の両分野で幅広い役柄を演じ活躍。
重厚な人物造形と繊細な表現力で高い評価を得て現在に至る。
渡辺理恵

わたなべ・りえ
福岡県出身。2004年、東京バレエ団に入団。2016年にプリンシパルへ昇格し、「白鳥の湖」「ジゼル」「ラ・シルフィード」など数々の古典作品で主演を務める。クラシックバレエの確かな技術と豊かな表現力を備え、モーリス・ベジャール、ジョン・ノイマイヤー、ウィリアム・フォーサイスなど、世界的な現代振付家の作品にも多数出演。古典から現代作品まで幅広い舞踊表現を経験してきた。2018年に東京バレエ団を退団後は、フリーダンサーとして活動の場を広げ、「兵士の物語2018」などの舞台作品に出演。さらに、KICK THE CAN CREW「LIVE 2022『THE CAN』」への出演など、バレエの枠を越えた音楽や舞台表現にも参加している。また、オーストラリアの国家資格であるピラティスの学位を取得し、ダンサーとして培った身体への深い理解を生かし、講師としても活動するなど、身体表現の可能性を多方面から追求している。
高橋慈生

たかはし・じょう
7歳よりバレエを始める。東京バレエ学校で研鑽を積みながら、都立総合芸術高校クラシックバレエ専攻に進学。高校卒業と同時にチャイコフスキー記念東京バレエ団に入団。古典作品はもとより、ウィリアム・フォーサイス、モーリス・ベジャールらによる現代バレエ作品にも出演し、幅広い舞踊表現を身につける。2016年には、あいちトリエンナーレにて勅使川原三郎演出「魔笛」に出演。2018年に東京バレエ団を退団後はフリーダンサーとして活動し、オペラ、ミュージカル、演劇作品など、ジャンルを越えて幅広い舞台に参加している。主な出演作は、2019年「La folle journée TOKYO」振付・出演、2020年ミュージカル「ポーの一族」、2021年東宝ミュージカル「NEWSIES」、2022年新国立劇場「Orfeo ed Euridice」(勅使川原三郎演出)、2023年ホリプロ「キングアーサー」、2026年ミュージカル「MARY POPPINS」など。
松野乃知

まつの・だいち
東京都出身。8歳より東京バレエ学校でクラシックバレエを始める。2009年、英国ロンドン・スタジオ・センターにフルスカラーシップで留学。2011年、東京バレエ団に入団。翌2012年には、入団1年目にして「眠れる森の美女」のデジレ王子に抜擢され、その後も「ラ・シルフィード」「パキータ」「エチュード」で主演を務める。2017年に東京バレエ団を退団後、同年ミラノのDOLCE&GABBANAのコレクションでモデルデビューし数々のブランドやマガジンに出演。2018年『ナイツテイル』牡鹿役でミュージカル初出演。近年では『アメリカンサイコ』ショーン・ベイトマン役や、演劇『オサエロ』に中原修役で主演するなど多岐のジャンルに渡り活躍している。
- SCHEDULE & TICKETスケジュール&チケット
日程_2026年11月20日(金)~11月30日(月)
会場_新国立劇場小劇場
※京王新線「初台駅」中央口直結(都営新宿線乗入れ。京王線は止まりません)
11/20
(金)11/21
(土)11/22
(日)11/23
(月)11/24
(火)11/25
(水)11/26
(木)11/27
(金)11/28
(土)11/29
(日)11/30
(月)昼 13:00 14:00 14:00 休演 14:00 14:00 13:00 14:00 14:00 夜 19:00 17:30 休演 19:00 17:30
チケット料金(全席指定税込)_10,000円/U25_5,000円
※U25チケットは観劇時25歳以下対象要身分証
大阪公演
日程_2026年12月12日(土)〜13日(日)
会場_サンケイホールブリーゼ
主催_サンライズプロモーション
12/12(土) 12/23(日) 昼 13:00 13:00 夜 17:30
チケット料金(全席指定税込)_S席8,500円/A席7,500円/B席5,000円/C席4,500円/SS席11,500円
※一般発売(9月27日)より、一部プレイガイドにて価格変動制(ダイナミックプライシング)を導入いたします。
詳細は追ってお知らせいたします。
チケット発売について
9月5日(土)正午から 先着先行開始!(東京公演は座席選択可)(一般発売は9月27日(日)から)
受付席種_東京:全席指定10,000円/大阪:SS席11,500円/S席8,500円となります。
チケットお求めはコチラまで
https://w.pia.jp/p/fuyunotabi26tspm/
チケット取扱い(共通)_
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/hamlets-winter/
ローソンチケット https://l-tike.com/hamlets-winter/
イープラス https://eplus.jp/hamlets-winter/
チケットに関するお問い合わせ_サンライズプロモーション 0570-00-3337 (平日 12:00〜15:00)
公演に関するお問い合わせ_tsp Inc. contact@tspnet.co.jp
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