2025

奏劇第4弾<br>「ミュージック・ダイアリー」
奏劇第4弾<br>「ミュージック・ダイアリー」
奏劇第4弾は、世界平和を唱える
『地球上の全人類が、手にしている武器をたった10秒間だけ大地に手放せたら、その瞬間に全世界は平和を手にいれる。それはとても簡単な事だけど、私たちがまだ一度も達成出来ていないこと』

奏劇第4弾公演は、音楽を言葉として伝え、戦争で離れ離れになった男女が、愛と平和を求めて音楽日記を交換する、つまり、ミュージックダイアリーを交わすという音楽舞台です。世界の、どこかでは常に続けられている戦争。敵国同士で恋人になった2人の運命が左右される。ロミオとジュリエット、ウエスト・サイド・ストーリー・・・・・などを通しても、私たちは、愛し合う想いだけではどうにもならない、政治のもとの戦争という、抗えない、強大な力をドラマに見てきました。そしてそれがドラマの世界だけではないことも知っています。愛する家族の犠牲、若者の犠牲、生まれたばかりの幼い命の犠牲などを目にし、耳にするたびにいたたまれない気持ちになります。「ミュージック・ダイアリー」公演を通して、私たちは今ある現実に慣れてしまったり、意識を慢性化させてしまうことなく、持ち続けたい、そんな思いのもと、言葉を音楽というメッセージに乗せて、伝えるんだ、ということをステージであらわしてみたいと思います。


テキストに記された言葉のメッセージを伝える
舞台には、3人の俳優と2人のピアニストのみ。
音楽大学で作曲を教えるミカエル・ハインズ。優れたピアノの名手でもある。
そんなミカエルを演じるのが、2022年の奏劇vol.2に続き2度目の出演となる三宅健です。
政治=戦争ではないけど、戦争=政治ではある。そしてこの戦争思想=政治に対して音楽芸術を以てして、強制されることの矛盾を、唱えてゆきます。しかし抗えない力によって追い込まれ、戦争に駆り出されてしまう。それでも愛する恋人への強い想いを源に、SNSを通じて自分の気持ちを音楽で恋人と交換日記します。そして軍隊を脱走し、停戦宣言の直後に、国境の橋で待ち合わせをして、彼女に会いに行きます。一方の、やはり同じ音楽大学でピアノを教えているのが、ミカエルの恋人、ナザレンコ・ローラで、演じるのは、馬場ふみかです。隣国から大学に通うローラは、敵対する戦争相手の国にいつまでも留まってはいられない、という戦争=政治の力によって帰国せざるを得なくなります。権力の横車を押す力に対抗しようとするミカエルを心配しながらも、離れ離れになってしまう。それでも今はSNSという文明の利器によって交信がかろうじて可能な状態だ。クリスマスに一時停戦を発表した時報と共に、2人は両国の国境を目指し、再会を求めます。。彼らを待ち受けていたものとは・・・・・
2人の恋人の間に入って、ストーリーテラー・久遠泰平役として物語を進行するのは、西村まさ彦です。ミカエルとローラの心情と対話を始めとする全体の流れを横軸とし、ベテラン教授や軍隊仲間役などを演じ分けるのを縦軸として、登壇します。演技派の、怪優・西村まさ彦に演じてほしかった大役です。


ピアノ2台が奏でる音楽交換日記
演奏者として登場するのが2人のピアニストです。2台のピアノは、恋人2人の音楽交換日記を演奏する、もう1人のミカエルとローラでもあります。この物語の企画者で、作曲の岩代太郎が、ミカエルの発表する音楽をどう聴かせるのか。また、恋人2人が音楽をとおして心を通わせ、言葉を交わし合う、この奏劇「ミュージック・ダイアリー」最大の目玉をどう聴かせてくれるのか、大きな期待が寄せられます。


「新・戦争レクイエム」として、世に残し、語り継いでゆきたい音楽劇
戦争体験を経て、平和を願う音楽は、世界中でこれまでにいくつも作曲されてきましたが、壮大なブリテン作曲の「戦争レクイエム」が特に奏劇Vol.4にとって合い通ずるものとして意識しています。ブリテンは、合唱という言葉によってメッセージを用いています。つまり、独唱、混声合唱、そして児童合唱。戦争の不合理さ、犠牲者への追悼、そして世界平和を願う内容が語り歌われています。一方、奏劇「ミュージック・ダイアリー」は、3人の俳優による物語の運び・言葉のメッセージが、ブリテンのそれを転ずるようであります。また、「戦争レクイエム」の大小二つのオーケストラによる演奏。これこそが、ピアノ2台で、メッセージを伝えようとする奏劇第4弾が、21世紀に発表する、新・戦争レクイエムとして名乗りをあげる、と言っても過言ではないと申し上げさせてください。

CAST & CREATIVE

スタッフ
原案・作曲_岩代太郎
原案協力_⼭⽥能⿓
演出_⾸藤康之
脚本_須⾙英
美術_久保田悠人
衣裳_ゴウダアツコ
照明_倉本泰史
音響_佐藤日出夫
舞台監督_中村公一

出演
三宅健/ミカエル・ハインズ…作曲科で教壇に⽴つ講師。東ヨーロッパのとある国出⾝
⾺場ふみか/ナザレンコ・ローラ…ピアノ科で教壇に⽴つ講師。ミカエルとは異なる国の出⾝
⻄村まさ彦/久遠泰平…講談師。諸国を旅して回るバックパッカー

ピアノ演奏
榊原⼤ 広田圭美(*) 岩代太郎(**)

主催_読売新聞社 ぴあ tsp 制作_tsp

SCHEDULE

公演日程_2025年6月20日(金)〜6月29日(日)
会場_よみうり大手町ホール(東京都千代田区大手町1-7-1)

PHOTO & MOVIE

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